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建設業界で増えるM&A、巻き込まれる前に知っておきたい事例と活用法

近年、建設業界のM&Aのニュースがメディアを賑わしています。

たとえば、2018年10月末だけを見ても、28日には準大手ゼネコンの戸田建設が福島県内の大手である佐藤工業をM&Aするというニュースが流れました。その3日前にはリゾート事業や建設事業などを行うアジアゲートホールディングスが、青森で賃貸仲介を行う東日本不動産をM&Aすると発表する、といった具合です。

以前の建設業界は、合併すると公共事業の入札権が減るため、M&Aには消極的でした。しかし今、なぜ建設業界でM&Aが盛んになってきているのか? その背景と、中小企業でも活用できるM&Aサイトをご紹介します。

今や史上最多のM&A件数に

そもそもM&Aは英語の「Merger and Acquisition」の略で、企業の「合併と買収」という意味です。以前は良いイメージがありませんでしたが、今では事業継承や成長戦略の一貫として認知されるようになりました。

M&Aの件数も、バブル崩壊後に増え始め、リーマンショックで急激に落ち込んだものの、2011年ごろから再び急増してきています。レコフデータによると、2017年には過去最高を記録、2018年も最高を更新しそうです。

マールオンライン|グラフで見るM&A動向引用:マールオンライン|グラフで見るM&A動向

急増の理由としては、後継者難によってM&Aで事業継続を考える企業が多いことがまず挙げられます。帝国データバンクの調査によれば、2004年までは倒産件数のほうが休廃業・解散の件数より多かったのですが、今や後継者難が主な原因のひとつである休廃業・解散の数は倒産の3倍にもなります。

そして、人材不足もM&A件数に影響を及ぼしています。採用が難しいので、企業ごとM&Aで人材を確保するという例もあります。

2020年、ゼネコンの再編が再び始まる!?

建設業界も同様で、右肩上がりでM&Aの件数が増えています。建設業界特有の理由としては、2020年問題があります。

現在、オリンピック景気や東日本大震災の復興特需もあって絶好調の建設業界ですが、長くは続かないという予測が大半です。2019年には消費税が10%に上がり、2020年にはオリンピックが終わります。そうすると、少子高齢化による住宅需要の減少、公共事業の減少など、本来の環境の悪さが業績に影を落としそうです。

そして2023年には、金余りで資金を不動産投資に向かわせたマイナス金利政策の推進者である黒田日銀総裁の退任が確実視されています。それによって、金利が上昇に向かうかもしれません。バブル崩壊の再来を予測するアナリストもいます。

そういった懸念から、調子が良い今のうちに会社を売却しようという企業、その時に備えるために資金の豊富な今のうちに他社を買収しようという企業が多いこともあり、M&Aが加速しています。

建設業界では、リーマンショック後の2013年前後に一度、中堅ゼネコンの大規模な再編がありました。

・2013年、安藤建設と間組がM&Aで合併して安藤ハザマが誕生
・2013年、大和ハウスがフジタをM&Aで完全子会社化
・2015年、積水ハウスが中堅ゼネコンの鴻池組をM&Aで傘下に

2020年からも再びゼネコンの統合や集約が始まりそうです。そうすると、関係会社や系列企業の統合や淘汰が行われます。中小企業も直接大きな影響を受けることになるのです。

M&Aでゼネコン再編

知っておきたいM&Aの代表的な形

そんな建設業界の再編がどんな戦略で行われるのか、これまでのM&Aも例に、代表的なパターンを紹介します。

1)同業型M&A

最も多い、同業他社をM&Aする戦略です。業績が悪化した競合企業を金融機関主導で救済する、他地域の同業他社と合併して規模の利益を狙う、といった形です。資材調達や用地取得などでのスケールメリット、人材確保、サービス地域拡大などを狙うM&Aです。

■事例■ 6社合併で誕生した飯田グループホールディングスが分譲住宅No.1に
2013年、業界に大きな驚きを与えたM&Aがあります。比較的ローコストな分譲住宅を得意とする上場企業6社が経営統合し、飯田ホールディングスが誕生しました。以来、年間4万棟を超えるナンバーワングループとして独走を続けています。

 

飯田グループホールディングス参考:飯田産業|ニュースリリース(https://ssl4.eir-parts.net/doc/3291/tdnet/1101744/00.pdf

2)異業種型M&A

異業種に対するM&Aで、特に商流の上や下の企業を合併する戦略です。建設会社が素材メーカーや重機関連会社、不動産会社をM&Aするようなタイプがこれに当たります。たとえば上の飯田ホールディングスは誕生後、この縦型タイプのM&Aに積極的で、資材のプレカット製造会社や、ガラスメーカーなどをM&Aしています。仕入価格の低減や専門知識・人材の確保、オリジナル商品の開発などを狙うM&Aです。

■事例■ コムシスホールディングス、周辺工事会社を積極的にM&A
電気通信設備工事を展開するコムシスホールディングスは、設備工事すべてをワンストップで受注できる体制を目指し、周辺工事会社を積極的にM&Aすることで知られています。ビルメンテナンス会社、太陽光発電設備工事会社、道路舗装工事会社、土木工事会社など、多くの会社を傘下に収めています。

 

コムシスホールディングス株式会社参考:コムシスホールディングス(http://www.comsys-hd.co.jp/index.php

3)海外型M&A

縮小が予想される国内市場だけでなく、海外に目を向けてM&Aで足場を築く戦略です。製造業に多いタイプですが、建設業界でも見られます。海外市場の開拓、専門知識・ノウハウの吸収などを狙うM&Aです。成熟期に入った日本と違い、アジアやアフリカはこれからが高度成長期なので、成功すれば大きな果実が得られます。

■事例■ 淺沼組、シンガポールの外壁塗装会社をM&A
2018年8月、大阪の中堅ゼネコンである淺沼組は、シンガポールで建物外壁塗装・修繕工事を展開するSINGAPORE PAINTS & CONTRACTOR PTE. LTD.を株式取得によって子会社化すると発表しました。今回のM&Aは、ASEAN地区でのリニューアル事業を展開するための第一段という位置付けで、今後もM&Aを行う予定だそうです。

 

株式会社 淺沼組参考:淺沼組|IRニュース(http://www.asanuma.co.jp/ir/pdf/etc/20180830.pdf

会社を売れる!買える!M&Aサイト

上の例を見ていると、M&Aを戦略的に活用していることがわかります。しかし大手企業のことだから、と他人事のように思っていませんか。

確かに、これまでM&Aと言えば、大手企業が金融機関やM&A会社の仲介で行う形が一般的でした。仲介報酬が多いという理由からです。

しかし、M&Aが増えるにつれて、中小企業のM&Aを担当してくれる仲介会社が増えてきました。さらには、インターネット通販でモノを買うかのように、会社を売り買いするサイトも登場してきています。代表的な2つのサイトを紹介します。

●歴史と実績のある「トランビ」

TRANBITRANBI【トランビ】http://www.ivr.jp/ja/To-Visit/feature_products/

2011年のサイト開設以来、累計マッチング数7123件(2018年11月3日現在)という中小企業専門のマッチングサイト。利用料は、売り手が無料で、買い手は成約した場合のみ譲渡金額の3%が必要となります。

業種を「 建設・土木・工事・住宅」&「建築・内装リフォーム」に絞った場合の掲載件数は53件でした。たとえばこんな形で売りに出ている企業の情報が並びます。

TRANBI_01TRANBI_02

詳細ページでは、財務状況やビジネスモデル、譲渡理由など、多くの項目が書かれています。これだけで予備的な査定ができそうです。

●日本有数のM&A仲介会社の子会社「バトンズ」

BatonzBatonz【バトンズ】https://batonz.jp/

以前は「&BIZ(アンドビズ)」の名称でサービス展開していたマッチングサイトです。M&A仲介の大手、日本M&Aセンターの100%出資で、中小企業の事業譲渡に絞ってサービス展開されています。サービス開始が2017年と新しいので、まだこれからという印象です。

売り情報一覧で、業種を「建設・工事」に絞って検索したところ、17件が該当しました。写真が掲載されていて、わかりやすい印象です。

Batonz_01Batonz_02

詳細情報は、譲渡に至るストーリーの部分と、財務状況の部分がしっかり掲載されています。ストーリーが長いので、企業の置かれた状況がよくわかります。

* * *
両サービスとも社員数名、途上希望額数百万円ぐらいからの情報が載っているので、現実味があるのではないでしょうか?

まとめ

今回の記事では、身近になってきたM&Aを取り上げました。建設業界は今後、M&Aによる再編が確実視されている業界です。系列企業の合併によって企業の趨勢が大きく左右されてしまうかもしれません。その前に、ひとつの戦略として自らM&Aに動くことを考えてみてはいかがでしょうか?

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