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建設業界の生産性を向上させる期待の「i-Construction」の基本と現状

2015年11月、国土交通大臣から発表された「i-Construction」。停滞している建設現場の生産性を上げるため、測量から設計、施工、管理の全プロセスでICT(情報通信)技術を活用していくという官主導の建設業界改革施策です。3次元設計、BIM、CIM、ドローン、ICT建機など、新しい技術が数多く提唱されました。そんな「i-Construction」は今どうなっているのか、内容のおさらいと先進的な取り組みをご紹介します。

建設業の生産性は30年前より低い!

国が「i-Construction」を提唱する目的は、建設業界の生産性の低さです。なんと30年前よりも生産性が低いというデータがあります。

出典:日本建設業連合会|建設業ハンドブック 2017

大量生産が難しく、工事単価が下がっていることが要因として挙げられていますが、他の業界と比べて低く、製造業のほぼ半分ほどしかありません。そして今後、少子高齢化、採用難で今以上に人材不足が進むと、このままでは立ちゆかなくなるかもしれません。

そこで、AI(人工知能)、IoT(モノへのインターネット接続)、自動施工(ICT建機)などの革新的な技術の現場導入や、3次元データの活用などを進めることで、生産性が高く魅力的な新しい建設現場を創出することを目的として出てきた総合的な施策です。

ドローンやICT建機で生産性アップ

「i-Construction」では、まず生産性の低い「土工(どこう。土木工事の基礎となる土壌を整地する工事)」と「コンクリート工」の効率化が取り上げられています。

土工では、テクノロジーによって工事を根本的に変えることが提唱されています。

出典:国土交通省|i-Construction

測量

従来=測量士による複数人が必要な測量
今後=ドローンや3Dスキャナーによる3次元測量

「ドローン」は、UAV(Unmanned Aerial Vehicle、無人航空機)とも呼ばれますが、小型の高性能なラジコンヘリの一種です。GPS、電子コンパス、加速度センサーが搭載され、手動操作だけではなく、飛行経路をプログラミングして自動飛行させることもできます。

ドローンで測量する場合、機体にカメラを搭載して上空から写真撮影し、大量の画像を解析して専用ソフトで傾き・歪み補正し、3次元データへと加工します。

設計・施工計画

従来=設計図から施工する土の量などを算出
今後=3次元測量データと3D設計図面の差から施工量を算出

施工

従来=丁張り(遣り方、基準の杭立て)、検測、施工の繰り返し
今後=3次元設計データ等により、ICT建機を自動制御して施工

「ICT建機」とは、 ICT(情報通信)技術を使い、操作の一部もしくは全部が自動化された建設機械や重機のことです。たとえば、GPSで位置を割り出し、設計データ等に基づいたプログラミングによって走行や動作が自動制御され、障害物センサーによって周囲の状況を把握し、AIが人を検知(下写真)して自動的に止まるといった工事を目標としています。

写真提供:大成建設株式会社

検査

従来=膨大な書類による検査
今後=ドローン等での3次元測量により3次元データで出来形管理を行ない、検査項目が半減

全体管理

従来=2次元CAD図面と書類で管理
今後=3D図面と付加情報によるCIM管理

「CIM」とは、Construction Information Modeling(Management)の略で、3Dのデジタル図面に土地、部材、施工の情報などを加えた管理システムです。調査、設計、施工、管理まで、3次元図面やコスト、スケジュールなどの情報を共有することで、工事を効率化しミスを減らします。建築の「BIM」と同じ概念です。

プレハブ化、プレキャスト化で生産性アップ

「コンクリート工」では、現場で鉄筋を組んで型枠を設置し、生コンを打設して型を抜く工法が主流です。それを鉄筋のプレハブ化、型枠や部材のプレキャスト化によって効率化します。

出典:国土交通省|i-Construction

プレハブ化は運搬の手間も含めてコストが高くなる問題もあります。建設用3Dプリンター(コンクリートで床や壁を自動的に施工)の導入など、画期的な技術革新が待たれます。

「i-Construction大賞」の事例で見る先進技術

国主導の「i-Construction」。公共工事への義務付けや、講習会開催などの支援が行なわれ、2017年12月には優れた取り組みを表彰する「i-Construction大賞」が創設されました。初の受賞者は12団体、最優秀賞となる国土交通大臣賞の2社を見てみましょう。

砂子組|ドローン、ワンマン測量、3D-MCと技術革新に意欲的

出典:株式会社砂子組

北海道空知郡に本社を置く社員数139人の砂子組。社内に「ICT施工推進室」を設置し、数々の技術革新に挑戦しています。

完成イメージを「3次元モデル」によって共有、「ドローン」で写真測量や出来形計測を実施、反射プリズムを自動で追う「自動追尾TS(トータルステーション)」によるワンマン測量の導入。衛星測位を利用した「3D-MC(マシンコントロール)」による堀削工事や土砂運搬の実施など、多方面で最新技術を採り入れ、実際の工事に活かしています。

カナツ技建工業|地元のICT普及に積極的

出典:カナツ技建工業株式会社

島根県松江市に本社を置く社員250人のカナツ技建工業。3次元レーザースキャナやドローンによって測量を行ない、3次元設計・施工データの作成・活用を積極的に行なっています。地元の測量会社や測量機器メーカー、関連ソフトメーカーと共同で「i-Con etc隊(アイコン エトセトラ隊)」を結成するなど、地域のICT活用普及も進めています。汎用重機にコンピュータやセンサーを取り付けたICT重機化にも取り組み、その出来形等のデータは本社や顧客企業からでも3Dイメージで確認可能だそうです。

まとめ

建設現場にテクノロジーを導入して効率を上げようという「i-Construction」。自動化・省力化は人材不足の緩和に繋がり、3Kではない魅力的な職場にも繋がります。公共工事では今後、ICTの必須化やICTの入札ポイント加算が決まっています。導入は待ったなしと言えるでしょう。

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